TOP>Automotive SPICEについて
Automotive SPICE は、自動車に搭載される電子制御ユニット(以降、ECU)に組込まれるソフトウェアの品質改善を目的として、欧州の主要完成車メーカーが共同で策定した「自動車業界向けのプロセスモデル」です。
Automotive SPICE の規格は、欧州の主要完成車メーカーによって2005年に初版が発行され、その取引先のECU部品サプライヤーにおける開発プロセスの改善活動のためのガイドラインとして使用されています。

Automotive SPICE の大きな特徴は、ECU部品サプライヤーの発注元である完成車メーカーが策定した規格であるという点です。そのため「認証取得」といった目的ではなく「対象となる製品開発プロジェクトの品質改善」に主眼が置かれています。
最近では、機能安全(ISO26262)が要求するプロセスインフラ構築を目的として、完成車メーカーがサプライヤーに対してAutomotive SPICE対応を求めています。
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- 1.サプライヤーの開発能力判定のためのアセスメント実施時のガイドラインとして
- ⇒「Automotive SPICEに基づくアセスメント」という言い方をします。
- ⇒一般的に(組織や部門ではなく)1つの開発プロジェクトを対象として実施します。
- 2.サプライヤーが自社のプロセス改善活動を実施するためのガイドラインとして
- ⇒完成車メーカーからプロセス改善対象のプロセスを指定される場合があります。
- ⇒ドイツBMW社などは他社と共同で「HISスコープ」と呼ばれるプロセスを指定しています。
- Automotive SPICE - HIS Scope

- 3.機能安全(ISO26262)対応のためのプロセスインフラ構築のガイドラインとして
- ⇒ISO26262では継続的なカイゼン活動ができる組織体制やインフラ構築が求められます。
- ⇒これは「Automotive SPICE 能力レベル3の達成」に相当しています。
Automotive SPICEは、大きく二つのコンポーネントから構成されています。
- 1. 31種類のプロセス(下図のX軸に相当)
- ⇒前述した「HISスコープ」は、ここから15種類に絞り込んだものです。
- 2. 0から5までの能力レベル(下図のY軸に相当)
- ⇒ほとんどの場合、目標は能力レベル3です。

Automotive SPICEには、主にソフトウェア開発プロセスに焦点を当てた下の表のような31種類のプロセスがあり、主に開発プロジェクトのプロセス改善活動に活用することができます。
これら明示的に定義されているプロセス以外にも、Automotive SPICEのベースとなっているISO15504シリーズに定義されたプロセスを必要に応じて参照すること決まりになっています。
例)ISO/IEC TR 15504 Part-5、Part-6(システム開発や組織管理のためのプロセスを定義)
特に機能安全(ISO26262)対応の際には、Automotive SPICEだけではなくISO15504シリーズで定義されたプロセスが必要となります
| ライフサイクルカテゴリ | プロセス群 | プロセス |
|---|---|---|
| 主要 ライフサイクル プロセスカテゴリー |
取得 プロセス群 |
・ACQ.3 契約締結 ・ACQ.4 サプライヤ監視 ・ACQ.11 技術要件 ・ACQ.12 法的および管理要件 ・ACQ.13 プロジェクト要件 ・ACQ.14 提案依頼 ・ACQ.15 サプライヤ資格認定 |
| 供給 プロセス群 |
・SPL.1 サプライヤ入札 ・SPL.2 製品出荷 |
|
| エンジニアリング プロセス群 |
・ENG.1 要件抽出 ・ENG.2 システム要件分析 ・ENG.3 システムアーキテクチャ設計 ・ENG.4 ソフトウェア要件分析 ・ENG.5 ソフトウェア設計 ・ENG.6 ソフトウェア構築 ・ENG.7 ソフトウェア統合テスト ・ENG.8 ソフトウェアテスト ・ENG.9 システム統合テスト ・ENG.10 システムテスト |
|
| 支援 ライフサイクル プロセスカテゴリー |
支援 プロセス群 |
・SUP.1 品質保証 ・SUP.2 検証 ・SUP.4 共同レビュー ・SUP.7 文書化 ・SUP.8 構成管理 ・SUP.9 問題解決管理 ・SUP.10 変更依頼管理 |
| 組織 ライフサイクル プロセスカテゴリー |
管理 プロセス群 |
・MAN.3 プロジェクト管理 ・MAN.5 リスク管理 ・MAN.6 測定 |
| プロセス改善 プロセス群 |
・PIM.3 プロセス改善 |
|
| 再利用 プロセス群 |
・REU.2 再利用プログラム管理 |
Automotive SPICEでは、ISO15504シリーズで定義された右図のように0から5までの能力レベルを利用しています。
主な能力レベルの意味
・能力レベル1:「個人単位」でバラバラに業務を遂行している段階
・能力レベル2:リーダーの元で「グループ単位」でまとまって業務を遂行している段階
・能力レベル3:「部門単位」で組織標準プロセスに基づき業務を遂行している段階

能力レベル2と3の大きな違いは「組織標準プロセスがあるか/ないか」となります。すなわち開発プロジェクトの実行を通じて得た「ノウハウなどの財産を仕組みとして蓄積していく仕組みがあるかどうか」が重要なポイントです。
つまり複数の開発プロジェクトを継続/安定して実行していくためには能力レベル3が必要となるため、完成車メーカーはECU部品サプライヤーに対して能力レベル3達成を求めています。同時に、機能安全(ISO26262)が求める安全文化の構築や、プロセスインフラについても能力レベル3の達成が必要不可欠です。
以下の公式サイトから規格文書(英語、日本語、他)を無償でダウンロードすることができます。
・URL: http://www.automotivespice.com/![]()
※1:最新版は2010年に発行されています。
※2:日本語版は当社が翻訳監修しています。
Automotive SPICE アセスメントを実施するためには、以下の認定トレーニングへの参加および試験への合格が必要となります。
・URL: http://www.biz3.co.jp/training/
※本トレーニングはiNTACS(国際アセッサー認定機構)が認めたトレーニングプロバイダーが実施します。
Automotive SPICE に関するエンジニア向けの解説書は、以下のサイトで入手が可能です。
・URL: http://www.biz3.co.jp/publications/
また解説書だけではなく、講師による詳細なトレーニングをご要望の場合には、以下のサイトを参照ください。




