ISO 26262について

Intro to ISO 26262

1.ISO 26262:2011の概要

ISO 26262:2011

2011年11月に乗用車に搭載される電子電気制御システムを適用対象とした機能安全規格 ISO 26262が発行された。ISO 26262は、プロセス産業の電気・電子・プログラマブル電子に適用される機能安全規格 IEC 61508をベースに、自動車産業のニーズを満たすように規格が策定されている。

 

ISO 26262:2011における適用範囲は、「車両総重量が最大3,500kgまでの量産される乗用車に組み込まれる、安全関連システム(一つ又は複数の電気/電子(E/E)システムを含む)」と定義される。

 

規格の目的は自動車の安全ライフサイクルにおける全ての活動で、E/E安全関連システムの機能不全のふるまいによって引き起こされる可能性のある、不合理な残存リスクを回避することを支援するため、安全ライフサイクルのフレームワークや要件を提供することである。

 

規格文書構造

ISO 26262:2011はPart1からPart10までの10部で規格書が構成されており、それぞれ日本規格協会から購入可能である。

 

第3部から第6部および第9部が安全関連の製品開発フェーズにおける要求事項、第1部は用語の定義、第2部は安全を管理する組織・プロジェクトに対する要求事項、第7部は安全関連製品を生産・運用するフェーズにおける要求事項、第8部は製品開発フェーズにおいて呼び出される支援系のプロセスに関する要求事項、第10部はISO 26262を理解するためのガイドラインとなっている。


ISO 26262規格書の文書体系としては以下のような特徴があるので規格書を読む際に参考して頂きたい。各規格書の文書体系は以下のように節立て(Clause)されており、第1節、2節は全部通しての共通項(記載文書も同一)、第3、4節は第2部から9部までの共通項(記載文書も同一)、第5節以降でその部での要求事項が記載される。

 

第1節:適用範囲(Scope)
第2節:引用文書(Normative reference)
第3節:用語定義(Terms, definition and abbreviated terms)
第4節:準拠の要件(Requirements for compliance)
第5節~:要件
Annex:

安全ライフサイクル

安全ライフサイクルの外観が第2部で示されている。安全ライフサイクルのすべてのフェーズにおいて、安全活動の計画、安全活動の実施と適切な安全方策の適用、安全活動の管理をすることが規格で求められている。