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当社サービスのオンライン化の状況

新型コロナウィルスの影響による緊急事態宣言が一部の地域を除いて解除され始めましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。報道等でも伝えられておりますように、新型コロナウィルスの影響は今後も少なからず続いていくことと思われます。
先月のメルマガでは、このような状況下におけるintacs、VDA、そして当社の取り組み(サービスのオンライン化)について紹介させていただきましたが、オンラインでのアセスメントやトレーニングは実施できるものなのかという疑問の声もいくつか寄せられておりました。
そこで、今回のメルマガでは、これらのオンライン実施において効果を高めるためのノウハウについて少しご紹介していきたいと思います。

[オンラインアセスメント]
先月のメルマガではオンラインアセスメントを実施する上でのintacsの指針について紹介させていただきました。当社でもこの指針に基づいてすでにいくつかのアセスメントを実施して参りましたので、当社の経験に基づいたオンラインアセスメント実施上の注意点をいくつかご紹介いたします。

1.インフラ
まず、円滑なオンラインアセスメントを実施するためには、インフラ環境が整っていることが大前提となります。intacsの指針では、互いにビデオ表示を用いることが推奨されていますが、安定的にビデオ表示を用いるためには、ネットワークは安定的に10Mbps以上の速度を互いに確保できることが望ましいです。また、音声については、発言者一人一人の声を明確に取得するために、分散型のマイクスピーカー、もしくは個別のヘッドセットを用いることをお勧めいたします。

2.レポジトリへのアクセス
インタビューに受け答えしていただくアセッシーが自宅など通常とは異なる拠点から参加する場合、組織のレポジトリへのアクセスが制限される場合が多くあります。また、レポジトリ内の作業成果物をWeb会議ツールへ表示すること自体が組織のルールで制限されているという企業もあるかと思います。そのため、事前にこのような制限の有無を確認し、オンラインアセスメントそのものの可否を確認しておくことが重要です。

正式なAutomotive SPICEのアセスメントでは、レポジトリ内の作業成果物の内容確認が必須となりますが、改善ステータスの確認など、その目的によっては、レポジトリの確認を省略し、アセッシーの自己申告にのみ基づいて実施するという選択肢もあるかと思います。(その場合、Automotive SPICEに基づくアセスメントとして扱わない)

3.インタビュー時間
オンラインアセスメントでは通常よりもコミュニケーションの時間的ロスが多く発生します。当社の経験上、オンラインでは25%程度長い時間を要すことが多く見られました。また、アセッサー、アセッシーともに、通常より高い集中力を要しますので、休憩およびコンソリデーションの時間も長めに取ることをお勧めします。

4.表示する文字の大きさ
通常のアセスメントでは、ツールの画面や作業成果物の内容をプロジェクターで大きく投影することが多いと思います。これに対し、Web会議ツールを用いたオンラインでのアセスメントでは、プロジェクター投影よりも文字が見辛いケースがあります。そのため、拡大表示や可能であれば複数画面の共有もお勧めいたします。

5.発言方法
ツールによっては、発言者の特定が難しい場合もありますので、発言者は互いに自身の名を名乗った上で発言することを心がけましょう。また、ツール上の表示名は略称ではなくフルネームで表示することをお勧めいたします。

6.アセッサー間のコミュニケーション
これは当社では以前から採用していた手法ではありますが、アセッサー同士がリアルタイムにコミュニケーションを図れるように、チャットツールを用いることも有効です。特にアセッサー同士が異なる拠点からアセスメントに参加する場合にはお勧めいたします。

上記は、当社アセッサーの経験に基づいて簡単にまとめたものですが、当社では、今後も新型コロナウィルスの影響が継続する可能性を鑑み、オンラインアセスメント手法の確立と、そのノウハウ提供のための新たなアセッサー向けトレーニングの開発を進めております。詳細は追ってWebサイトにてご案内いたします。

[オンライントレーニング]
一方、当社ではトレーニングもオンラインで開催しております。intacsの公式トレーニングを含め、当社で提供しているトレーニングでは演習を重視しております。演習の多くは、受講者とインストラクター、また受講者同士でのディスカッションによって答えを導いていきますが、オンライントレーニングでは、ディスカッションに参加する受講者同士が直接的に顔を合わせることができないため、受講者によっては円滑なディスカッションが難しいと感じられています。

特に、intacs認定Provisionalアセッサートレーニングは、全体の半分以上がディスカッションを含む演習となっているため、当社ではメインのインストラクターとは別に、4~5名の受講者のグループ毎に補佐役のインストラクターを配置し、グループでのディスカッションを円滑にリードさせていただく体制といたしました。本方式でのintacs認定Provisionalアセッサートレーニングは、6月1日~5日開催分から適用いたします。

今回のメルマガではアセスメントとトレーニングをオンラインで実施している当社の状況について紹介させていただきましたが、オンラインでのワークショップやコンサルティングを含め、ご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。

2020/5/20 田渕 一成