今回は、プロセス改善の目的について考えてみたいと思います。
皆さんがプロセス改善を行う目的は何でしょうか。ISO 26262やAutomotive SPICEに対応しようという思いからか、最近は「第三者認証の取得」や、「Automotive SPICEのレベル達成」を目的とする回答が多くなっていることが気がかりです。同時に、「最短で対応する方法を教えてほしい」、「この技法を実施すればASIL Dになりますか」などの質問もよくあります。これらは本当にプロセス改善の目的でしょうか。
もちろん、取引条件などのビジネス的な理由から「早期の対応」が求められる場合もあります。
しかしながら、規格を参照しそれに対応することは、目的ではなく、あくまでも手段ではないでしょうか。プロセス改善の本当の目的は、安全で高品質な製品を確実に開発することのできる仕組みの定着にあるはずです。
実は、規格の要求事項を満たしたプロセスを構築するのはとても簡単なことです。
ある程度規格に精通した方がいれば、いとも簡単に規格の要求事項を反映させたプロセスを構築できます。しかし、そのプロセスは、組織にとって有益でしょうか。
プロセスを構築することは簡単であると書きましたが、プロセスは組織の方針や目標、目的によっていかようにでも作れます。逆に言えば、組織の方針、目標、目的がなければ本来のプロセスを構築することはできません。
ISO 26262やAutomotive SPICEへの対応を急がれる中、今一度立ち止まって、プロセス改善の目的を考えてみてはいかがでしょうか。
(2012年06月号メルマガ抜粋)
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