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2018年10月号 車載向けセキュリティの動向と取り組み(中武)

自動運転や各種先進的サービスの開発が進む中、自動車のコネクテッド化が急速な展開を迎えようとしています。コネクテッドにおいて今後益々重要視される観点のひとつにセキュリティへの対策があります。

車載システム開発の分野においては、これまでISO 26262やAutomotive SPICEに基づく安全性や品質への取り組みが行われてきました。
数年前からセキュリティへの対応の必要性は訴えられきたものの、ISO 26262やAutomotive SPICEの取り組みとは区別される傾向が強い状況がありました。
しかし、今ではこれらの対応を融合し、同じ取り組みとして活動を展開する企業が増えてきています。

実際、今年6月にドイツで開催されたVDA Automotive SYS Conferenceや、今月日本で開催されたescar Asiaにおいては、実践的な取り組みが多く紹介されるようになりました。

近年では車の鍵を持たずにドアロックを解除するスマートエントリーシステム(キーレスシステム)が主流となってきましたが、欧州ではそのシステムをハッキングして、数分で500万円以上する自動車が盗難されるなどの自動車セキュリティに関わる被害が相次いでいます。
このような自動車セキュリティに対して、例えば、異常な信号を検知するために累積和を用いた検知アルゴリズムや、セントラルゲートウェイを使わずに各ECUにセキュリティレイヤを配置するなどの技術的な取り組みが紹介されています。

さらに、プロセスに関しても車載向けセキュリティに関する開発プロセスの規格ISO-SAE21434が現在策定されており、2019年~2020年には正式に発行される予定となっています。
このように、機能安全とセキュリティの両面を考慮した技術面、プロセス面での取り組みが必要になっています。

当社ではこれらを考慮した新たなコンサルティングサービスやトレーニングラインアップを企画しておりますので、今後のメールマガジンにて随時ご紹介していきます。

2018/10/16 中武 俊典