2016年10月にIATF 16949:2016が発行されました。
IATF 16949:2016はISO/TS 16949:2009に代わる自動車産業のセクター規格となり、ISO/TS 16949:2009は2018年9月14日をもって失効となります。このためIATF 16949への移行審査を受けるために準備を進めておられる企業が多いことと思います。
規格の策定・管理機関がISOからIATF(国際自動車産業特別委員会)へ変わったことで、ISO 9001:2015とIATF 16949:2016双方の規格を併せて読む必要がある、要求事項にはVDA要求事項が色濃く反映されるなど、純粋に規格書の改善・改訂目的とは異なる変化が見られます。
新しく追加された要求事項と国際標準のプロセスモデルを参照したプロセスアプローチは高い親和性があります。組込みソフトウェアを持つ製品の開発(8.3.2.3)、自動車製品に関係するソフトウェア又は組込みソフトウェアを持つ製品(8.4.2.3.1)への対応方法、リスクに基づく考え方を含んだ自動車産業プロセスアプローチの解説、内部監査員・第2者監査員に要求される力量の証明、コアツールであるFMEA(Harmonization AIAG and VDA)の導入などについて、弊社の強みであるAutomotive SPICE(VDA-QMCはAutomotiveSPICEの認証機関です)を視点に、効果的かつ効率的な取り組み方法をご提案いたします。セミナーに関する詳細および時程は決まり次第順次ウェブページを更新いたします。
2018年7月19日に ISO 26262:2018 FDIS版が公開されました。
※日本では日本規格協会のウェブサイトから英語版が購入可能国際規格策定ステージではStage5にあたり、2か月の投票期間を経て規定の賛成票が得られたのちに正式に国際規格として発行される流れから、2018年末までには第2版が発行されると考えてよいでしょう。
DIS版で確認できた主要変化点としては、適用スコープの拡大(Part 11,12他)、目的指向のアプローチ(Part 2)、従属故障分析の手順(Part 9)、ハードウェアの評価(Part 8)、ソフトウェア安全分析(Part 6)などですが、かなりのコメントがあげられていたようですのでどのように変更されているかFDIS版の確認が必要です。
弊社では第2版発行に先駆けて、第2版の変化点を解説する無償セミナーを準備中です。第1版への対応で課題となっていた点が第2版ではどのように改善されているか、安全規格の基本をベースとした目的指向のアプローチ、GSNを用いた論証スキームの構築などについて解説していく予定です。準備が整い次第、メールマガジンやウェブサイトを通じてご案内いたします。
2018/9 土屋 友幸