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CASE時代の標準化について(土屋)

◆◆第7回 自動車機能安全カンファレンスでの講演決定◆◆
2019年12月5,6日に御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンターで開催される「第7回 自動車機能安全カンファレンス」で、背景によらない安全関連エレメント(SEooC)の安全論証ポイントと事例発表について講演を行います。是非会場まで足をお運び下さい。

2019年10月30日、大きなニュースが1面を飾りました。
「日立製作所とホンダが、傘下の自動車部品メーカー4社を合併させることが分かった。合併後の新会社の売上高は、国内の自動車部品業界でトヨタ自動車系部品大手のデンソーやアイシン精機に次ぐ規模になる見込みだ。」 ※出展 朝日新聞DIGITAL記事
このニュースのほどなくして、アイシン・エイ・ダブリュがトヨタ自動車の保有する全株式を取得したのちにアイシン精機と合併するニュースも報道され、ますます自動車業界の再編が激化していることを物語っています。

この変化は「MaaS」、「CASE」を発端にして起こった、自動車完成車メーカーを頂点とした垂直統合型のビジネスモデルから、プレイヤーがそれぞれのコアコンピタンスを模索し、強みの部分で協業しながらモビリティサービスを構築する水平分業型のビジネスモデルへの変化としてとらえられます。

水平分業型で重要なポイントは標準化です。モジュールを標準化することで、統合しやすい、拡張しやすい、コストが安くなる などのメリットが得られるからです。これからのCASE時代で、標準的キーデバイスを標準化によりいかに早く安く開発するかを考えていかなければなりません。

さて、このように標準品として開発された製品で、かつ機能安全の達成に寄与する製品をISO 262626ではSEooC(Safety Element out of Context):背景によらない安全関連エレメントと呼びます。ISO 26262ではアイテムレベルのハザーダスイベントを回避・軽減するための安全目標を設定し、安全目標を達成するための要件が詳細化されていくトップダウンアプローチが基本概念です。特定の顧客からの安全要求に依存せず開発されるSEooCはどのようなことに気をつけていくべきでしょうか?

SEooCの安全論証ポイント
ISO 26262:2018ではSEooC開発においてインテグレータとプロバイダ、2つの役割が登場しました。主な役割としてインテグレータはSEooC統合時の妥当性評価、プロバイダは統合環境の「想定(ユースケースや上位の安全要求、安全機構設計など)」、その想定に応じたSEooCの開発、インテグレータへの情報提供です。汎用品として、特定顧客の(安全)要求に依存しないSEooCを特定のアプリケーションで利用する際の安全論証のポイントとしては「安全の文脈においてプロバイダ側の想定とインテグレータ側のユースケースとが相違なく整合している」「SEooCが十分なASIL対応能力を備えている」「SEooCを統合した製品・アイテムの安全性が評価されている」、この3つのポイントについて、インテグレータ、プロバイダ双方で説明性を築き上げることが非常に重要です。

第7回 自動車機能安全カンファレンスでは、上記ポイントを含み、SEooC開発に焦点をあてた内容で国内サプライヤ様とともに発表いたしますのでご期待ください。

余談
最近では3rdパーティによる後付け自動運転モジュールの研究開発も盛んになってきていました。こちらも成功すればすでに市場で運用されている自動車も市場とするキーデバイスとなります。ユーザー運用中に後付けされるこのモジュール、安全保障の主体はモジュールサプライヤということになるとは思いますが、完成車メーカーがインテグレータ役として総合保障していくのであろうか?興味深いところです。

2019/11/13  土屋 友幸