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プロセスマイニングを使った問題解決事例の紹介

8/25に「第3回 プロセスマイニング活用セミナー ~データを活用したプロセスの見える化と検診を実感してみませんか?~」のテーマで無償セミナーを開催しました。今回のセミナーでは、現場で起こりがちな問題に対しプロセスマイニングを活用して、どのように問題の原因を抽出するか、についてデモを交えてご紹介をしました。参加者の方々からは「活用事例を紹介いただき、現場に適用するイメージが湧いてきた」、「予備知識はありませんでしたが、非常に分かりやすかった」といったコメントが寄せられ、大変好評をいただきました。そこで今回のメルマガでは、セミナーの中でご紹介した、プロセスマイニングを活用して問題の原因を効果的に抽出するための導入事例についてご紹介いたします。

■導入事例1 開発のボトルネックの特定
皆様の現場の中で、「実績工数が、予定していた工数をいつもオーバーしてしまう」という問題に直面したプロジェクトもあるのではないでしょうか。その原因を特定しようとすると、活動状況や課題をメンバーにヒアリングすることになりますが、どうしても個人の印象や仮説に依存しやすく、事実に基づいた原因の特定がしにくくなります。そこで、プロセスマイニングを適用すると、作業のログデータから活動の流れ、活動の時間、活動の実施回数が一度に可視化されます。つまり、事実に基づいた原因の究明に役立てることができるわけです。ログデータから可視化された活動の流れを分析することで、何度もやり直しをしていた作業や工数がかかっているタスクをピンポイントで特定できたり、定義されたプロセス通りに行われていないタスクなどのプロセス実績から工数オーバーを引き起こしていた原因を特定する手掛かりを得ることができます。

■導入事例2 プロセス自動監査の導入
品質保証活動の中で、実際の開発プロセスがルール通りに行われているかを確認する「プロセス監査」を実施している現場も多いかと思います。監査の方法はインタビュー形式で確認することが多いですが、監査するプロセス数が多くなると監査工数がかかり、またインタビューイとしても過去に実施したプロセスの記憶があいまいになるケースもあり、思うように監査ができないことがよくあります。そんな場面でも、プロセスマイニングが活用できるのです。ログデータから可視化した実際の活動の流れと、正しいプロセス(あるべき開発活動の流れ)のフロー図を取り込み、プロセスマイニングの適合性チェック機能を利用することで、プロセスの逸脱を自動的に検出することができます。逸脱の例としては、実施すべき技術レビューが行われていない、作成した設計書に対して行うレビュー→登録の順序が逆になっていた、といった問題をログデータに基づいて抽出できます。また、プロセスマイニングを使った監査を行うと、インタビューを大幅に減らすことができるため、工数面でも監査側と開発側の両方にメリットがあります。

図 プロセスマイニングで検出されたプロセス逸脱の例

いかがでしたか?プロセスマイニングを活用すると、今までは見つけることが困難だった問題原因の可視化や、業務の大幅な効率化に貢献できることをご紹介しました。開発現場で使用しているプロジェクト管理ツール、チケット管理ツールに開発活動のタイムスタンプが記録されていれば、開発のありのままの姿を分析して改善のヒントを得ることが期待できます。また、複数のプロジェクト間でプロセスの実施状態を比較することでプロセスの有効性、および適切性を分析し、テーラリングパターンを見出すことが可能です。これにより、従来の属人的なプロセス改善活動をデータに基づく活動に変革することができるわけです。

当社では今後、皆様にプロセスマイニングツールを実際に使っていただきながらプロセスマイニングの効果を実感できる”プロセスマイニング体験セミナー”を企画しております。詳細が決まりましたらメールマガジン等でご連絡いたしますので、ぜひご期待ください。

2022/9/28 長澤 克仁