Automotive SPICE 3.1

Intro to Automotive SPICE 3.1

3. Automotive SPICEを取り巻くコミュニティ

Automotive SPICEが普及していった背景には、各国のコミュニティが果たした役割も大きい。その黎明期からGate4SPICE(German Assessor Team for SPICE、後のGlobal Assessor Team for SPICE)がドイツを中心に積極的な活動を展開していた。彼らはAutomotive SPICEの解釈に関するディスカッションに留まらず、様々なテーマの調査、研究にも活動を広げ、機構系ハードウェアに関するAutomotive SPICEのエクステンションを定義するなど、Automotive SPICEの発展に重要な成果を残してきた。

一方、日本においては黎明期から取り組んでいた企業は限定的で、Automotive SPICEに関しては欧州の自動車メーカーから直接的に伝えられる要求事項以外に情報が限られている状況にあった。そのような状況の中、2007年頃から企業の垣根を越えた情報交換やスキルアップの場として、コミュニティ設立に向けた機運が高まり、2008年に千葉 幕張にてAutomotive SPICEに取り組んでいる企業へ当社から参集を呼びかけた結果、コミュニティ設立に向けた準備会が立ち上がった。これが日本SPICEコミュニティ、2年後に日本SPICEネットワーク(NSPICE.NET)として正式に設立される活動の最初の一歩である。

日本SPICEネットワークは、準備会当初から有志によるボランティアとして活動を継続してきたが、今では定例会、合宿、カンファレンスの他、個別テーマ毎の研究会が設立され、会員数も200名を上回る活発な活動となっている。

日本のコミュニティが日本SPICEネットワーク(英表記:Nippon SPICE Network)と命名し、積極的な活動を展開した結果、現時点では日本以外に12カ国で“SPICE Network”を名乗るコミュニティが展開することとなった。日本SPICEネットワークは、アジアにおけるSPICE活用のリーダーを目指すべく、各国との連携を進めている。