昨年11月に、「Volkswagen認定Software Quality Improvement Leader(SQIL)」資格を弊社から3名が取得したことをお伝えしました。皆様の中で、Volkswagenグループ(Volkswagen、Audi、Porsche他、以降OEM)との契約において、Volkswagen認定Software Quality Improvement Leader(以降、SQIL)によるソフトウェア品質およびソフトウェア開発プロセスを要請されたことがあるのではないでしょうか。そこで、本メルマガでは、SQILの役割、SQILサービス、および関連する他サービスについてご紹介します。
OEMによるサプライヤに対するソフトウェア品質評価の結果、SQILが必要と判断された場合、OEMとの契約において、SQIL主導による改善が要請されます。SQILの役割は、サプライヤの組織において、改善リーダーとして、OEMのソフトウェア品質の考えを確立し、サプライヤのソフトウェア開発プロセスの改善状況を定期的にチェックし、OEMに報告することです。SQIL認定を受けるためには、Volkswagen指定のトレーニングを受講し、試験に合格することが必要ですが、前提条件として、Automotive SPICEアセッサー資格(プロビジョナルアセッサー以上)を有することが求められます。以下は、改善活動中にSQILが実施するタスクです。
● キックオフ:SQILの役割を説明する、OEM発行の評価レポートの内容を明確にする、サプライヤの改善計画をレビューする、ソフトウェア品質メトリクスを説明する、オンサイトレビューのスケジュールを作成する。
● 改善活動中のオンサイトレビュー:リリースに向けて改善内容をチェックする、サプライヤの改善アクションをレビューする(改善計画の更新確認、リソースの可用性・適切性、改善のスポットチェック)、OEMプロジェクトのリスクを評価する、指定されたソフトウェア品質メトリクスを評価する。
● OEMへの定期報告:オンサイトレビュー結果をOEMに報告する。
● OEMによる再評価の準備:OEMとサプライヤと一緒にプロジェクトの再評価スケジュールを策定する。
OEMとの協議によって、SQILを配置せず改善活動を進める場合、前述のSQILと同等な責務を果たすリーダー役が必要になります。OEMとの契約が初めてのサプライヤにとっては、OEMの要求、およびソフトウェアプロセス評価結果を的確に理解し、改善活動計画を立て、計画通りに進めることが難しいと感じることがあるのではないでしょうか。そのような場合は、弊社SQILサービスの活用をお勧めします。
SQILサービス以外に、OEMとのプロジェクトを成功に導くために特化したサービスを用意しておりますので、その概要を以下でご紹介いたします。
● KGAS要求への対応支援
KGASは、OEMとの契約に含まれ、KGAS要求を満たすようにソフトウェアプロセス改善、およびソフトウェア開発を実施する必要があります。KGASの内容を理解しているコンサルタントが、OEMによるソフトウェア品質評価結果をもとに、プロセス改善の現場に入り、適切な改善計画の策定を支援し、プロセス改善を的確に進めます。最小体制は、SQIL:1名、コンサルタント:1名ですが、顧客のマイルストーン、改善規模などに応じて、コンサルタントを増員した体制で支援します。
● KGAS準拠アセスメントサービス
OEMからサプライヤへ第三者アセスメントの要請があった場合、通常のAutomotive SPICE、およびAutomotive SPICEガイドラインへの準拠だけでなく、さらにKGASの要求事項への準拠を含めたアセスメントが求められる場合があります。このアセスメントでは、SQIL保有者以外には公開されていないOEM固有の評定基準が含まれており、これらに準拠したアセスメント(計画、実施、報告書作成、報告会)を実施します。
● OEMによるソフトウェア品質評価時に、SQIL資格保有者による通訳サービス
OEMによるソフトウェア品質評価(アセスメント、ポテンシャルアナリシス、テクニカルリビジョン)時に、OEMの要求内容を理解しているSQIL資格を持つ者が、OEMとサプライヤの間で、両者を理解した通訳を提供することができます。通訳では言葉通りに伝えますが、その背景にあるOEMのソフトウェア品質の考え、KGASのどの要求事項に該当した質問、指摘かを理解しているため、評価終了後に、より詳細なフィードバックやコメントが提示できます。
本メルマガで、SQILの役割、および関連するサービスを紹介しました。これらのサービスに興味がございましたら、是非、弊社マーケティング(marketing@biz3.co.jp)までお気軽にお問合せください。
2024/2/26 小西 晃輔
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