今回はAutomotive SPICE アセッサースキルを向上させて行くためのアプローチについてのお話をしたいと思います。
最近、Provisionalアセッサー資格を取得された方から「Provisionalアセッサー資格は取得したけれど、未だにアセスメントのやり方がわからない」というようなご相談を受ける機会が増えました。
この方のようにアセッサーの資格を取ることが目的となり、その後のスキルアップや日常業務でのスキル活用方法についてよく考えていないケースが多いようです。
そこで改めてご紹介しますがintacs公認のアセッサー資格は能力に応じて以下の3階層になっています。
Provisional アセッサー | アセスメント経験が少ない、もしくはない。 アセスメントにおいてはサポートアセッサーとして活動が可能 |
Competent アセッサー | アセスメントを実施した経験を保有している。 リードアセッサーとして、アセスメントを実施することが可能 |
Principal アセッサー | 国際的なコミュニティの知識やベストプラクティスへの継続的かつ積極的な活動に貢献している。 リードアセッサーとして、アセスメントを実施することが可能 |
“Provisional”は「見習い」という意味であり、多くの方は一人前として業務活用できるリードアセッサー(Competentアセッサー以上が相当)を目指していると思います。
例えば、リードアセッサーが何をするのかというと・・・アセスメントに関する全責任を持つということになります。すなわち、アセスメント計画立案に始まり、プロジェクトの状況把握、プロジェクト情報の収集と評定、結果報告と多岐にわたります。
実際にそれらのスキルを身に付けるためには、段階的に取り組んでいくことが必要となります。
【段階的な取組】
Step1:Automotive SPICEの基礎を知る
・Automotive SPICEで規定しているプロセスの基礎知識を習得する
Step2:プロセスアセスメントモデルに関する知識を習得する
・アセスメントのフレームワークに関する知識を体系的に習得する(Step2まではアセッサー以外の方々にも有効です)
Step3:アセスメント実施に向けてアセッサースキルを習得する
・Automotive SPICEアセスメントの評定について
・アセスメントを行うときのテクニックについて
Step4:アセスメント経験を重ねる
・経験のあるリードアセッサーと共に実際にアセスメントを経験する
【ビジネスキューブにおけるトレーニング体系】
また、知識の向上においては多くの実践経験を積むことも不可欠です。intacs / VDAにおいても、「経験の浅いアセッサーは経験あるアセッサーについて、経験を積むことは有効である」と言っています。経験も有効な手段の一つと考えて取り組んでみてはいかがでしょうか。
上記Step2に相当する「Automotive SPICE 3.1スキルアップトレーニング [中級レベル]」を2020年1月19日、20日の2日間で、アセッサーを目指す方々や、アセスメントを受審する側のリーダー層の方々を対象として開催予定です。このトレーニングではOEMが注目することが多いプロセス(MAN.3、SWE.1、SWE.6、SUP.9)を中心に演習をとおして多く事例に触れられるように構成されています。また、演習ではBPの解釈、アセッサー視点におけるアセスメント時のチェック観点を(参加者同士がディスカッション等で)議論していきます。
その他にも弊社では、Automotive SPICEアセッサーのスキルアップを目的としたトレーニングを実施しております。詳細につきましてはWEB(https://biz3.co.jp/publictraining)にて案内をさせて頂いておりますので興味がある方は参考にして頂ければと思います。
2019/12/06 齋藤 幸裕