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テーラリングの基本的な考え方(日吉)

「テーラリング」 という言葉は、皆さんにとっても関心のある言葉だと思います。今でこそ普通に使われるようになりましたが、私はこの意味を理解するのに長い年月がかかりました。今回はテーラリング(Tailoring)の基本的な考え方をお伝えします。

「Tailor」 をロングマン英和辞典で引くと、「…を必要性[目的]に合わせて用意する」と書かれています。名詞では、「仕立屋(テーラー)」となっていますので、自分用に仕立てるという意味なんですね。プロセスの世界では、「標準プロセス」をプロジェクトの目的に合わせて仕立てる、と考えるとわかりやすいと思います。

テーラリング(仕立て方)の簡単な流れをご説明します。

従ってプロセス部品をつなぎ合わせてプロジェクトのプロセスを定義することがテーラリング手順の第一ステップとなります。

ここで重要なポイントは、「標準プロセス」の基本的な考え方を理解しておくことです。
① 「標準プロセス」とは、プロセス部品の集合を前提としていること
② 集合とは、組織内のプロジェクトで使われていた複数の方法が部品として標準化されている
つまり、標準プロセス(部品)=唯一の方法、ではなく同じ種類の作業でも複数のプロセス部品が登録されていることが前提となっているということなんです。このような前提があるので、標準プロセスをプロジェクトに使えるようにする仕立て方(テーラリング)が必要になってくるのです。
ここで説明したような考え方をテーラリングガイドとして定義しておくことも重要です。特に、プロジェクトで勝手にプロセスをカスタマイズして、標準プロセスの意図に反する実装にならないように注意してください。

本日はテーラリングの基本的な考え方についてお話しました。プロセスFMEAの手法を使いテーラリングの影響を分析してテーラリングルールを決めていく事例などもあります。紙面では十分にお伝えできるトピックではありませんので、お悩みがある方は弊社までお気軽にお問い合わせ下さい。

2020/3/24  日吉 昭彦