DO-178Cについて

Intro to DO-178C

4. 他業界との関わり

DO-178BからDO-178Cに改訂されるまでに、モデルベース開発手法が、航空機搭載システムのソフトウェア開発を対象に、多くのプロジェクトで適用され、DO-178BレベルAの認証取得に貢献してきた。自動車業界でもモデルベース開発は、開発効率改善、不具合早期発見を目指した開発手法として、適用され、自動車版機能安全規格 ISO 26262においても、モデルベース開発手法を考慮した要求事項が見られる。更に、モデルベース開発手法を開発環境として支援している複数のツールが、市場で提供されている。

しかし、それぞれ固有のアプローチ、考え方を持っているので、DO-178Cに準拠したプロセスをモデルベース開発ツール中心で構築することが、認証という視点では、容易でない。そのため、下図に示すように、DO-178Cをコアとして、モデルベース開発手法を導入する場合に、モデルベース開発手法に特化した技術的な補足ガイドラインDO-331(Model-Based Development and Verification / Supplement to DO-178C and DO-278A)を参照することになる。同様に、仕様や設計表記を厳密に定義された形式言語を用いて表記する形式記述、ある特性が仕様や設計の中で満たされていることを証明する形式検証も、それらを支援するツールが市場で利用できるようになった。

DO-178Cに準拠したプロセスに、形式手法を導入する場合は、補足ガイドラインDO-333(Formal Methods Supplement to DO-178C and DO-278A)を参照することになる。

DO-331、DO-330は、DO-178Cの補足ガイドラインという位置づけで、単独で適用されることはない。これらのガイドラインとは別に、DO-178C改定時に、『ツール認定(Tool Qualification)』プロセスを独立したガイドラインとして制定し、他のセーフティクリティカルな産業分野(自動車、鉄道等)でも参照できる。実際に、自動車版機能安全ISO 26262 Part-8 11 Confidence in the use of software toolsで、TCL2、TCL3に分類されたツールの認定方法に、「Development in accordance with a safety standard」を選択する時、DO-178Cの目的に沿って開発されていること示すツール認定データを使用して、ツール認定を行うことができる。