コンサルタント紹介

現場の声を起点に、真の課題解決へ
私のモノづくりの経歴は、大型車メーカーでの電子制御トランスミッション開発とHILS構築から始まりました。当時(1990年代後半)は車載ECU開発専用ツールがなく、航空・宇宙分野の技術を応用し、検証環境を苦労して構築しました。その経験から、モデルベース開発が鍵になると確信し、ツールベンダーの立場で車載のみならず、航空・鉄道分野を支援してきました。しかし、ツール提供だけでは、課題の本質に踏み込めないと感じ、現場の声を基に最適解を導くコンサルタントへ転身しました。現在は、現場の声をしっかり聞き、本当の課題がどこにあるかを考え、お客様に納得して貰える提案や支援を意識してサービスを提供しています。

セーフティクリティカルな分野の経験を活かす
航空分野の認証では、安全設計や安全分析だけでなく、プロセスや仕組み、ツール使用も含めて安全性を論証するという考え方に沿ってプロジェクトを支援してきました。例えば、モデルベース開発手法の適用では「コードの信頼性保証」と「工数削減」が課題となります。その解決策として、ツール認定とテスト戦略の組み合わせにより、論証可能かつ効率的な開発を実現してきました。特に、ツールチェーン全体の整合性や、要求仕様からコード生成、検証までの一貫したトレーサビリティを確保することが、安全論証において重要な鍵となります。この考え方は、車載システムにおける機能安全にも適用でき、機能安全対応を支援する際に、プロセスや仕組み作り、および安全論証の基盤にしています。

さらに、新しいモビリティ開発に異分野の知見を活用する
新しい空のモビリティとして「空飛ぶクルマ」の開発を進めている自動車メーカー、航空機システム開発への新規参入を進めているシステムサプライヤーにとって、航空分野の国際規格やその先の認証への対応は、大きな障壁です。例えば、航空機システムのソフトウェア開発では、詳細設計に関する要求とその設計を担当する人員の能力、および実施手順の適用が同列に挙げられています。一つ一つの要求内容を把握する際に、Automotive SPICEの能力レベル1と2の概念を当てはめて読むと、理解し易くなります。このように、自動車業界が培ってきた知見を航空分野に活用することで、新しいモビリティの開発を支援します。「技術の本質は変わらない」という信念のもと、異分野の架け橋となり、未来のモビリティ創造に貢献します。