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開発現場のプロセスマイニング入門

この2~3年でプロセスマイニングに関する日本国内での導入事例や書籍は増加の一途をたどっています。今回はこれから開発現場でプロセスマイニングを始める方に向けて「プロセスマイニングとは何か?」、「開発現場におけるプロセスマイニングの導入例」、「プロセスマイニング無償体験セミナー」のご案内をお伝えします。

プロセスマイニングとは何か?
プロセスマイニングの”生みの親”と呼ばれるドイツアーヘン工科大学教授アースト博士は1990年代後半よりオランダアイントホーフェン工科大学で研究を始め、プロセスマイニングの概念を20年以上前に提唱しました。海外では2010年前後からプロセスマイニングを専門とする会社が設立されプロセスマイニングの普及が進みました。現在では、基幹システム/業務システム上のイベントログデータをプロセスマイニングによって可視化し、業務改善を実施している事例が数多く報告されています。
プロセスマイニングは、情報システムやツールに記録された活動とそのタイムスタンプが記録されたイベントログデータから、プロセスを再構成するアルゴリズム(統計学、ペトリネットなど)により活動の流れのパターンを抽出して関連付けて可視化します。そして分析者がプロセスの課題やボトルネックなどを探します。現状の活動の流れを変えずに自動化するのではなく、業務の流れを価値あるものに改善することがプロセスマイニングのねらいです。
開発現場においてプロセスマイニングを利用する場合は、例えばプロジェクトの分析や設計、テスト、レビュー等の活動とそのタイムスタンプが記録されたプロジェクト管理ツールのイベントログデータから、各プロジェクトの開発の流れを可視化(プロセスモデル再構築)して分析します(図1参照)。

図1 プロセスマイニングによる開発の流れの可視化

開発現場におけるプロセスマイニングの導入例
ウォーターフォールあるいはアジャイルで進める日々の開発活動はプロジェクト管理ツールやチケット管理ツール、あるいはその他のツール(例えば開発や製品のライフサイクル管理ツールやプロセス管理ツールなど)にタイムスタンプとともに残ります。そのログデータをCSVファイル形式でエクスポートしてプロセスマイニングを実施することで、イベントログデータから開発の流れを可視化します(図2参照)。
図2を見て気づかれた方がいらっしゃるかも知れませんが、現在使用している開発ツール群を置き換えずにプロセスマイニングを導入できます。もし開発ツールに活動とそのタイムスタンプの記録がない場合は、Excelファイルに記録された活動とそのタイムスタンプがあればプロセスマイニングは実施可能です。

図2 プロセスマイニングの導入例

プロセスマイニング無償体験セミナーのご案内
プロセスマイニングのツールにイベントログデータ(CSVファイル)を読み込み、可視化された開発フローを参加者の方に分析していただく無償体験セミナーを来月開催いたします。この機会にどのようなデータをプロセスマイニングできるのか、プロセスマイニングで可視化された開発フローがどのように見えるか、そしてどのような考察ができるのかを体験いただければと考えています。是非、プロセスマイニング無償体験セミナーへのご参加をご検討ください。

2023/6/7 西門 克郎

プロセスマイニング無償体験セミナーの申し込みページ
https://biz3.co.jp/publictraining/5200
プロセスマイニングを使った活用事例の紹介
https://biz3.co.jp/download/4759
プロセスマイニングの開発現場における活用事例
https://biz3.co.jp/download/4637