残業続きの開発現場、効率化で解決したいなら「あること」から始めよう

2025.10.02
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【開発現場の悲鳴が聞こえていませんか?】

「また今日も終電か…」
「毎週の進捗レポート作成に丸一日かかっている」
「ドキュメント作成だけで半日潰れてしまった」
こうした声が、あなたの開発現場からも聞こえてくるのではないでしょうか。家族との時間も取れず、体調を崩すメンバーも出始めている…そんな状況に心を痛めている管理者の方も多いことでしょう。

背景には、CASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)やSDV(Software Defined Vehicle)への対応により、従来とは比較にならないほどソフトウェア開発の業務量が増加し続けているという現実があります。

この状況で、どのような解決策があるでしょうか?

人材を大幅に増やす? → 優秀なソフトウェアエンジニアは市場に絶対数が不足、採用コストも高騰している。

開発スコープを縮小する? → CASE・SDV対応は競争上必須、機能削減は市場で致命的な遅れをとってしまう。

開発期間を延長する? → 市場投入遅れは致命的、先行者利益を失う。

品質基準を下げる? → 自動車は人命に関わる製品、品質妥協は企業存続リスクにつながる。

結局、どの選択肢も現実的ではありません。
現実的な対策が見つからず、結局は「今いる人材で頑張るしかない」という状況に陥ってしまいます。そして、この「頑張るしかない」という対応が、冒頭の「また今日も終電か…」という残業続きの現実を生み出しているのです。

【「生成AIを導入すれば解決するはず」という期待と現実】

では、本当に打つ手がないのでしょうか?
実は、唯一残された現実的な道があります。それは「効率化」です。
人員も期間も品質基準も変えられないなら、今いる人材でより効率よく成果を出すしかありません。

しかし、ここで多くの組織が陥りがちなパターンがあります。

残業続きで疲弊した状況では、「とりあえず何かツールを入れれば、今の負担を増やすことなく、すぐに効果が出るのでは?」という期待を抱いてしまうのは自然なことです。
特に最近はChatGPTをはじめとする生成AIが話題となり、『生成AIを導入すれば開発効率が劇的に向上するはず』と期待してしまう気持ち、よくわかります。

ところが、実際に導入してみると期待とは異なる結果になることが多いのです。
「ChatGPTで資料を作ったけど、結局上司から『これじゃ使えない』と言われて一から作り直し…」
「高価なツールを導入したものの、使い方がわからず結局誰も触らない…」
「AIが作った文章が微妙で、直すのに元より時間がかかった…」
こんな経験、ありませんか?
その結果、「やっぱりツールなんて使えない」と元の状態に戻ってしまい、投資した時間とお金が無駄になってしまった経験をあなたもされていませんか?

【効率化成功の鍵は「順序」にある】

なぜ、このような失敗が起きてしまうのでしょうか?

根本原因は、効率化へのアプローチの順序にあります。
多くの組織が「時間をかけたくない」「すぐに結果が欲しい」という切実な想いから「ツール・技術ありき」で効率化を進めようとするため、期待する結果が得られないのです。

では、生成AIや自動化ツールを活用して真の効果を得るにはどうすればよいのでしょうか?
効率化の成功は「プロセス定義無駄削減自動化」の順序にあります。
この順序を正しく進めることで、生成AIなどのツールが本来の力を発揮し、想像以上の効果を実現することができます。
 ただ、プロセスの見直しや定義は時間がかかります。「そんな時間があったら、残業を少しでも減らしたい」という気持ち、本当によくわかります。
しかし、基礎固めを飛ばしてツールだけ導入しても、結局は失敗に終わり、元に戻る時間とコストを考えれば、むしろ非効率になってしまいます。

つらいかもしれませんが、遠回りに見えても、品質を確保するプロセス定義から始めることが、結局は最も確実で効率的な道なのです。

ステップ1:プロセス定義

まず、現在行っている作業の目的や意図を明文化します。
「なぜこの作業をするのか?」
「この作業の完了条件は何か?」
「誰がいつまでに何をするのか?」
これらを明確にすることで、本当に必要な作業と、慣習的に続けているだけの作業を区別できます。

ステップ2:無駄削減

プロセスが明確になると、重複作業や、形骸化した承認プロセスが開発速度を阻害しているといった不要な活動が見えてきます。これらの無駄を削減するだけでも、大幅な効率化が実現できます

ステップ3:自動化

目的と手順が明確な定義されたプロセスに対して、初めて自動化を検討します。

特に生成AIを活用する場合、プロセスで作業内容が言語化されていることで、AIに具体的で的確な指示を出せます。「なんとなくドキュメントを作って」ではなく、「目的は○○、含めるべき項目は△△、完了条件は□□」といった明確な指示を出せるため、期待する品質の成果物を得やすくなります。

この順序で進めることで、作業時間が半分になることも珍しくありません。

【プロセス構築から始める効率化で、現場の負担を根本解決】

プロセス構築から始めれば、想像以上の効率化が実現できます。
開発の効率化を考えるのであれば、まずは品質を確保するプロセスの定義が重要となります。プロセスが明確でない状態でツールを導入しても、前述したように品質が低下したり、組織内で浸透せずに結局使われなくなったりしてしまいます。
しかし、プロセス構築は一朝一夕にはできません。現場の実情を理解し、組織の特性を考慮した上で、段階的に改善を進める必要があります

まずは現状把握から始めませんか?

当社では、プロセス改善支援により、多くの開発現場の負担軽減を実現してきました。プロセス構築から効率化まで一貫したアプローチでお客様の課題解決をサポートします。
以下のような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

  • 「残業時間を減らしたいが、品質は落とせない」
  • 「効率化を進めたいが、何から手をつければよいかわからない」
  • 「過去にツール導入で失敗した経験がある」

▼コンサルサービスの詳細はこちら
https://biz3.co.jp/service/consulting

開発現場の負担軽減は、一日でも早く始めることで効果を得られる期間が長くなります。まずはお気軽にお問い合わせください。

2025/10/2 中武 俊典


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