機能安全対応の現場で使える“実践力”を高める ―機能安全ワークショップのご紹介
機能安全対応に必要なのは“現場で使える力”
ISO 26262やAutomotive SPICEなどに代表される技術的な要求や開発プロセスの基準は、技術の進化や環境の変化に伴い、内容の見直しや適用範囲の拡張が進んでいます。
しかし、規格を理解するだけでは不十分であり、実際の開発現場で「どう適用するか」「どう運用するか」が問われる時代になっています。
弊社では、こうした課題に直面する技術者の皆様に向けて、実務課題に対応する“現場で使える力”を高めることを目的とした機能安全ワークショップを提供しています。
機能安全ワークショップのラインナップ
弊社の機能安全ワークショップは、システム・ハードウェア・ソフトウェアの各領域における機能安全対応に必要な知識や考え方を、実務に活かすための議論と検討を通じて深めることを目的としています。
<主なテーマ>
・機能安全アセッサーのスキルアップ
・機能安全アセスメントの活用方法
・大規模システムにおける機能安全の考え方
・システムアーキテクチャ設計(設計編)
・ソフトウェアのパーティション設計
・基礎故障率の算出とメトリック評価(IEC 61709/SN 29500)
演習結果に基づく議論と実務で直面する課題に対する検討を中心に進めることで、現場で求められる対応力の向上を図ります。
ハードウェア領域における“現場で使える力”の一例 ─故障率計算の実践的アプローチ
ワークショップのテーマの一つである「基礎故障率の算出とメトリック評価」は、ハードウェア開発における機能安全対応に欠かせないスキルです。
特に「故障率の算出」は、現場で頻繁に直面する課題の一つです。
2017年にIEC/TR 62380が廃止され、現在ではIEC 61709およびSN 29500が主流となっていますが、これらの規格ではミッションプロファイルが定義されておらず、単一温度での計算が前提となっています。
このため、実際の車両使用環境に即した故障率算出には工夫が必要です。
過去のメルマガ(2025年1月28日号)では、以下のような課題と対応策を紹介しました。
・OEMからミッションプロファイルの提供がない場合の対応
・IEC/TR 62380のプロファイルを参考にした温度フェーズ別の平均化手法
・自社標準としての故障率計算モデルの整備の必要性
弊社では、こうした課題に対して「IEC 61709およびSN29500に基づく部品故障率計算におけるミッションプロファイルの実践的適用」と題した座談会も開催し、実務に役立つ計算手法の共有と議論を行っています。
“現場で使える力”を身につけるために
弊社では現在、機能安全対応に求められる“現場で使える力”を高めるため、議論と検討を中心とした機能安全ワークショップの新たな企画を進めています。
アセスメントスキルの向上から設計・評価に至るまで、現場で本当に役立つ“実践力”を身につけることを目的とした内容です。
ワークショップの詳細や関連情報は、弊社Webサイトにてご紹介しています。
まずは情報収集から始めてみませんか?
日々の業務に直結するスキルを高める手段として、ぜひご活用ください。
【関連トピックおよびワークショップ】
1)機能安全実装ワークショップ
https://biz3.co.jp/service/training/8629
2)IEC61709およびSN29500に基づく部品故障率計算における課題
https://biz3.co.jp/download/6889
2025/7/24 大塚 愁